Layered Little Press

小さすぎる出版社の日々の徒然です。

Kindle版「おうちで炊ける本格ビリヤニレシピ 2人前 星宮絢佳著」版改定のお知らせ

こんにちは!

 残暑が厳しいですね。もはや東南アジアよりも暑く、熱帯の夜よりも圧倒的に過ごしづらい夜が続く日本ですが、そんな中で皆さんの健康維持にスパイスが少しでも役立てば嬉しいと思っています。

 

 さて、Layered Little Press初の書籍であり、秋田で力強く、何故かビリヤニを全力推ししている”旬とスパイスのお店 星みや”の店主、星宮の初のレシピ本「おうちで炊ける本格ビリヤニレシピ 2人前」が発売して4ヶ月が経とうとしております。発売当初より反響をいただいておりまして皆で喜んでおりましたが、私も何分勢いだけの人間で未熟な部分が非常に多いために、改善すべき点が既にいくつも発見されてしまっております。

 

 ということで、この度「おうちで炊ける本格ビリヤニレシピ 2人前」Kindle版を先駆けて第2版に改めることといたしました。今月中旬に鰤子が既にそれについてアナウンスをしておりましたが、それもいろいろと間違っていたっぽいのと、時期も結局それに間に合わないということで、今一度ブログにて皆様にお知らせしようと思った次第です。

 

 まず、第2版になることで下記の点について修正、改善が行われます。

 

①本文全体に散りばめられている誤字、脱字の修正

②伝わりづらそうな文章の書き換え

③ダムビリヤニのマサラ作りについて、工程の写真の追加

④調理工程の写真の位置や配置の微調整

⑤一部レシピについて食材欄のまとめ方の見直し

⑥読者さまからいただいた質問を巻末のQ&Aに追加

⑦バスマティライスをジャスミンライスで代用できるように、その方法を追加

⑧炊飯器ビリヤニについて、使用する調理器具に3合炊きの炊飯器の追加

⑨それにあたって炊飯器ビリヤニの水分量について、使用する炊飯器の合数(3合、5合、1升)に応じた水分量を具体的に記載

 

 今回の版改定で特に大きな作業となるのが、読者さまから頂いた「3合炊きで炊けるのか」というご質問への対応となる⑨番の取り組みです。3合炊き炊飯器に対応する水分量を確定させるために、ただいま必要な実験を組み上げるところから取り組んでおり、データが揃い次第レシピに落とし込んでいきます。それに少々時間を要しており、版改定の作業完了は9/5頃になるのではないかと見込んでおります。当初の鰤子のアナウンスより2週間程度送れてしまいますが、その分本のクオリティが上がることはお約束いたします。

 

 また版改定完了後は、皆さまには下記の通り対応させていただきます。

 

・既にKindle版もしくは冊子版をご購入いただいている皆様には、ご連絡いただければ第2版のPDFデータを無料でお送りいたします。お問い合わせは各種SNSもしくはウェブサイトをご利用ください。ECサイト経由でレシピ本のご注文を多く頂いているのですが、ご購入者さまの情報は私共は自由に扱えないため、こちら主導で皆さまに直接送付することができません。

・これから新しく冊子版をご購入いただく方には、第2版のPDFデータがダウンロードできるQRコードを同封いたします。

Kindle版を既にご購入いただいている場合は、お客さま自身でKindle内で操作をしていただくことにより内容がアップデート可能ですが、PDFデータもご希望の場合はお申し付けください。

 

 Kindle版の手動アップデートの方法は、改めてこちらにまとめます。(自動更新ではありませんでした!)なお版改定完了以降、新しくKindle版をご購入いただく場合は、第2版がダウンロードされますので、特別な作業は必要ありません。

 

 お知らせは以上です!作業完了までもう少々お待ち下さい!

 

Layered Little Press

Tommo Sogane

 

 

 

おまけ

ちょっとマニアの方向けに炊飯器ビリヤニの水分量についてお話を。

 

 まず、炊飯器ビリヤニというと邪道扱いされることもあったりしないわけでもないのですが(国内外問わず!)、そもそもビリヤニという料理に明確な定義が存在しないために邪道も何も定義できないということはここで改めて述べておきたいと思います。ビリヤニについて明確な定義が可能なのは数あるビリヤニの中でもダムビリヤニのみで、ダムビリヤニ以外のビリヤニはプラオとの明確な区別すらできません。むりやり区別することはできますが、むりやりなので区別する側の主観(区別しようとする努力)が必ず入ります。つまり人によって言うことが違うという状況が起こり、梨とりんごのように国や地域を超えて画一的な定義をもたらすことはできません。異論はいろいろとあるでしょうが、これが私の最新の研究結果です。

 炊き込み式のビリヤニというと、インドは昔から陶器で薪火や炭火で炊いていたわけですが、それが時代の流れとともに調理器具が金属やステンレスの鍋が主流となり、家庭では圧力鍋が登場し、主流の熱源がガス火に代わりました。そして電気炊飯器が登場した現代、家庭を中心にそれらの代用として電気炊飯器が使用されるわけです。つまり使用する調理器具と熱源が変わっただけで、炊き込み式のビリヤニを作るための原理原則はこの世界で一番最初に炊かれた炊き込み式のビリヤニから何一つとして変わっていません。

 話が急に飛ぶようですが、今回ひょんなことから「炊き込みに使用する釜の内部の空洞部分の体積が、炊き込み式ビリヤニを作るために必要な水の量に思ったよりも大きな影響を及ぼしているかもしれない」ということが見えてきました。今回のレシピ本では使用するバスマティライスの量は全編通して一律200gですから、そうすると5合の炊飯器を使ったときと、1升の炊飯器を使ったときでは、1升の炊飯器の方が釜の空洞部分の体積が大きくなります。途中の話はややこしくなるのでここでは端折りますが、もし炊きあがったビリヤニの体積と、使用する釜の空洞部分の体積(=釜の容積-炊きあがったビリヤニの体積)の比率が、炊飯器ビリヤニを炊き込むのに必要な水分量に影響を及ぼすとした場合、簡単にこれを図式化すると3合炊きの炊飯器を使った場合には「一般的にバスマティライスが美味しく食べれるようになるために必要と言われている水分量よりも、最大で2割程度炊き込みに使用する水が少なくなる」可能性があることが計算結果で出てきました。仮定からの図式化からの推論なので、これは実験してみないと実際どうなるか分かりませんが、もしこの通りになれば面白いなと思っています。ただ、いくつかビリヤニとプラオの水分量について私にも解けていない謎があるのですが、それらと合わせて考えてみても、かつ私の経験から振り返ってみても、全く見当違いとは言えない数字で、あり得ない話ではないどころか結構現実的なんじゃないかと思っています。この問題がしっかり整理できると、釜の大きさとバスマティライスの量から、ビリヤニを炊くための正確な水分量を計算する数式を考えれるようになるので、これは飲食店さんや野外で急にビリヤニを炊くイベント出店なんかでは使い勝手の良い武器になると思います。ちなみに、その数式を工夫すればダムビリヤニにも適用できると考えています。実験結果が今から楽しみです。続報をお楽しみに。